犬のアトピー110番●犬のアトピー性皮膚炎について

vol.2:アトピー性皮膚炎のワンちゃんに適したシャンプー

アトピー性皮膚炎のワンちゃんに適したシャンプーとはどんなシャンプーなのでしょうか? ワンちゃんの皮膚の構造から見ていくことにしましょう。

アトピー性皮膚炎のワンちゃんに適したシャンプーを選ぶために、まずワンちゃんの皮膚の構造について理解しましょう。

皮膚の構造
皮膚は大きく分けると真皮と表皮に分けられます。真皮には血管と神経が通っていて、皮膚に栄養や酸素を与えたり、外からの刺激を感知する役割があります。

表皮は、内側から基底層、有棘層、顆粒層、角質の4層に分かれます。その中で一番上にある皮膚表面部分にあたる角質は外部からの異物や細菌等の侵入を防ぐ防護壁(バリア)として機能しています。この角質は、角化細胞と細胞間脂質と呼ばれる皮脂(油分)とで構成されています。

ここでレンガで作られた壁をイメージしてください。レンガは規則正しく積み上げられています。レンガをつなぐにはセメントのような接着剤が必要です。

皮膚をレンガで作られた壁にたとえると、レンガは角化細胞であり、それらをつないでいる接着剤が皮脂なのです。この皮脂はバリア機能を維持するために重要な役割を果たしています。皮脂は皮膚表面全体をも覆っており、これにより皮膚からの水分蒸発を防ぎ、皮膚に柔軟性をも与えているのです。

皮脂が不足すると、皮膚の水分や柔軟性が失われてしまい、バリア機能が低下してしまいます。バリア機能の低下により、細菌やアレルギーの原因となるアレルゲンが体内に侵入しやすくなってきます。逆に皮脂が過剰に分泌されると、悪臭が発生したり、細菌やカビの増殖の原因ともなりえます。

犬や猫の皮膚は人と比較すると、とても薄く、人よりダメージを受けやすいといわれています。そのため、被毛によって皮膚の弱い部分をカバーしているともいわれています。さらに犬や猫と人では皮膚のペーハー(pH)も異なります。犬は、ほぼ中性のpH7.5前後ですが、人は弱酸性のpH5.5です。ですから、動物にはその動物の皮膚の状態を考慮したシャンプーを選ぶことが重要なのです。

シャンプーによる皮膚のサポート
シャンプーは皮膚のトラブルサポートの基本といわれています。シャンプーのメリットは大きく3つあります。

【メリット1】
皮膚を清潔に保つことができる→
物理的、化学的にアレルゲンや細菌などの異物を除去することで清潔に保つ
【メリット2】
炎症や掻痒感の緩和をサポート→
皮膚のほてりやかゆみを鎮める成分でのサポート
【メリット3】
皮膚の修復をサポート→
傷んだ皮膚の修復に必要な成分をサポート

シャンプーは皮膚のトラブルにあわせて色々な種類のものが動物病院にて取り扱われています。必ず動物病院に相談の上、ワンちゃんの皮膚の状態に合ったシャンプーを使用してください。

現在、動物病院にて販売されているシャンプーの種類
1.デイリーケアシャンプー:日々の皮膚の健康管理用としてお使いいただけるもの。
2.アレルギー用シャンプー:アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患をサポートするもの。
3.殺菌・消毒用シャンプー:細菌やカビなどの除去に。
4.べたつきの脂漏用シャンプー:過剰な皮脂を除去し、皮脂の状態を適正にする。
5.かさついた脂漏用シャンプー:乾燥によるフケを除去し、適切な潤いを与える。
  学術監修:長谷川篤彦先生(日本大学獣医臨床病理学教授)
|
|
|
|
|