犬のアトピー110番●「イヌインターフェロン-γ」
都内で飼い主さんと暮らす、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのカンナちゃん(♀/8歳)は、長年ひどいアトピー性皮膚炎に悩まされてきました。しかし、「イヌインターフェロン-γ」を用いた犬インターフェロン療法によって、今ではご覧の通り、毛はフサフサ、元気にお散歩を楽しめるほど、症状が改善されました!

カンナちゃんのかかりつけの動物病院「かどやアニマルホスピタル」で飼い主さんに、闘病生活から犬インターフェロン療法でよくなるまでのお話をうかがいました。

「毎日楽しくお散歩できてウレシイワン♪」

 
以前のカンナちゃん
現在のカンナちゃん

カンナちゃんと飼い主さんとの出会いはペットショップでのこと。飼い主さんはウエスティが大好きで、カンナちゃんと出会う前も2匹のウエスティを飼っていたそうです。

甘え上手でとってもかわいいカンナちゃんは、飼い主さんの愛情をいっぱい受けて、すくすくと育ちます。しかし、2歳をすぎたあたりから体を痒がるなど、皮膚に異常が表れたそうです。

「動物病院で皮膚検査やアレルギー検査をした結果、最初は食物性アレルギーと診断され、食餌内容を変えました。ところが、症状は改善されるどころか、むしろひどくなる一方でした。その後も通院、治療、検査を繰り返し、結局4歳になった頃に、初めてアトピー性皮膚炎と診断されたんです」

結局2歳から6歳までの4年間は、カンナちゃんと飼い主さんにとって、とても辛い闘病生活を送ることとなったのです。

一番ひどい頃のカンナちゃん。体の毛が抜け落ちて、皮膚は象のように硬くなってしまっています

「カンナは、起きている間はずっと体を舐めたり掻いたりしていました。皮膚の表面はただれたようになり、常に血や体液がにじんでいる状態で、一番ひどいときは、体のほとんどの毛が抜け落ちてしまったほどです。寝ていても、体が痒くて、ぐっすり眠ることはなかったと思います。

わが子同然のカンナのそんな姿を見るのは、本当に辛かったですね。なんとかよくしてあげたいと思い、獣医師さんと相談しながら、減感作療法やシクロスポリンなど、いろいろな治療を受けました。また、自分で勉強して知識を得たり、友人に教えてもらったりして、民間療法的なことも試しました。その他にも、バスオイルや温泉の成分の入った入浴剤、薬用シャンプーやハーブシャンプーなど・・・、とにかく“いい”といわれるものはすべて試しました」

重い症状のアトピー性皮膚炎のワンちゃんと暮らす飼い主さんは、多かれ少なかれ同じような思いをされていると思いますが、面倒を見る飼い主さんの精神的・肉体的負担も相当なものだったようです。

「血やフケが飛び散ってしまうため、ソファーにはシーツをかぶせていたんですけど、すぐに汚れてしまうので、毎日洗濯していました。それでも家の中のニオイはひどいものでした。お散歩も、毛が抜け落ちた状態で外を歩かせるのはかわいそうだったので、家の周りを少し歩くぐらいでしたね。また、皮膚を清潔に保つために、ベビーバスを購入して、2日に1回はシャンプーしていました。

大変な思いをしても、よくなってくれれば救われるのですが、なかなかよくならなかったので、本当に辛かったです。でも、一番辛いのはカンナですから、どんなにひどくなっても、どうにかしてよくしてあげたいという思いは変わりませんでした」

色々な治療法を試みたものの、効果があらわれなかったため、6歳の時にステロイドを用いた治療をすることになります。すると、幾分かは症状が改善されたのです。しかし、ステロイドには副作用の心配があるため、様子を見ながらの投与となりました。

そんなカンナちゃんと飼い主さんが新しい治療法に出会ったのは、ステロイド治療を始めて、1年経った頃のことです。

飼い主さんが、<イヌのアトピー性皮膚炎の症状を改善する新薬「イヌインターフェロン-γ」が開発され、間もなく処方が始まる>という新聞記事を目にしたのです。

ちょうどその頃、主治医である、「かどやアニマルホスピタル」の門屋美知代院長も、新薬「イヌインターフェロン-γ」を使った犬インターフェロン療法を考えていたため、飼い主さんと相談し、「イヌインターフェロン-γ」が発売されたと同時に、カンナちゃんへの投与を開始することになったのです。

7歳のクリスマスの頃にはだいぶよくなって、この通りフサフサに!

「週に1回の投与で、約5ヶ月経ったときには、ステロイドで治療していたとき以上に症状が改善していました。皮膚はぐちゅぐちゅしなくなりましたし、毛もフサフサになりました。その後も、門屋先生と相談しながら、投与し続けています。ちょうど1年になりますが、この状態を維持しています。

アトピー性皮膚炎になったばかりの頃のカンナを知っている方は、今のカンナを見て『カンナちゃんとは別のワンちゃん?』と聞いてくるんですよ。

今ではシャンプーは週に1回になりましたし、家の中の嫌なニオイもなくなり、掃除も楽になりました。本当にこの薬が効いてよかったです。門屋先生にも本当に感謝しております」


「イヌインターフェロン-γ」は注射で投与します。カンナちゃんは注射されてもいい子でおとなしくしていました!

かどやアニマルホスピタル
門屋美知代院長のコメント
「カンナちゃんの場合、ステロイドによって症状が多少よくなっていたので、『イヌインターフェロン-γ』の効果が出やすかったのではと思います。飼い主さんは本当に辛い思いをされていたので、よくなってよかったです。体重も一番ひどいときと比べて、1.5kgくらい増えたんですよ。ずいぶん健康的になりました!」

かどやアニマルホスピタル
東京都府中市府中町1-40-12
コンフォータブル ハウス
ウィズワン1F
tel.042-334-5559

※以前のカンナちゃんの写真は、飼い主さんにお借りしました。「カンナのひどい時の写真を掲載することによって、少しでも犬のアトピー性皮膚炎の治療に役立つのであればお使いください。私と同じように辛い思いをされている飼い主さんのはげみになれば・・・」とおっしゃってくださった飼い主さんのお気持ちに感謝しております。ありがとうございました。

 
 
----アトピー性皮膚炎は完治が難しい病気ですが、新たに「イヌインターフェロン-γ」がアトピー性皮膚炎の治療法に含まれ、カンナちゃんのように、症状が改善された例がでてきています。

愛犬のアトピー性皮膚炎に長年悩まされている飼い主さんも、決してあきらめることなく、獣医師さんと力を合わせて、ワンちゃんに適した治療法をみつけてあげてください。

「イヌインターフェロン-γ」は決して安いお薬ではありません。またワンちゃんの体重や動物病院によって費用は変わってきます。「イヌインターフェロン-γ」による治療が必要かどうか、費用を含めて獣医師さんと相談しながら治療を受けるといいでしょう。

 

 
 
  学術監修:長谷川篤彦先生(日本大学獣医臨床病理学教授)
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