犬の皮膚病でお悩みの飼い主さん必見。犬のアトピー性皮膚炎に関する総合的な知識を得られる「犬のアトピー110番」。

★コラムvol.3からvol.5は、ラジオ番組「宏子先生の動物クリニック」(文化放送、ラジオ大阪にて放送中)でおなじみの獣医師清水宏子先生が、犬の皮膚病やアレルギー、アトピー性皮膚炎の新しい治療法などについて分かりやすくお伝えします。

vol.3:犬の皮膚病

『先生、うちのクロ、この頃口の周りが赤くなってきて、床に顔をこすりつけてるんですけど…。』と柴犬の飼い主さん。『あら、うちの子は耳の先がブツブツしていて朝からパタパタ耳をふっているの。』とペットショップから来たばかりというチワワのワンちゃんの飼い主さん。『夕べからお尻を一生懸命なめてるなぁと思ったら、今朝になったら円形脱毛症だよ!』と、すっとんで来たのは雑種のコロちゃん。『やだぁ、ここの待合室にいるの全員、皮膚病じゃない。うちだけかと思ったら仲間がいて良かった!』『ねえ、おたくのワンちゃん、何食べてるの?食べ物のせいかしら。』『敷物は何を使っていらっしゃるの?じゅうたんのせいじゃない?』と、待合室で勝手に病気を決め付けたり、原因や治療法まで分析してしまう飼い主さんもいますが、ちょっとストップ!!実は「犬の皮膚病」といっても、いろいろ原因があってみんな違うのです。

犬の皮膚病の種類

犬の皮膚病でお悩みの飼い主さん必見。 イラスト画像

犬にはどんな皮膚病があるかというと…柴犬のクロちゃんは今話題のアトピー性皮膚炎。よく診ると皮膚の薄い部分の、脇の下、お腹、足の付け根も赤くなっています。チワワのケンちゃんは、耳の先の皮膚をかき取って調べてみると、伝染力の強いイヌセンコウヒゼンダニというダニがいました。疥癬(カイセン)と呼ばれ、一番かゆみの強い皮膚病です。よく触ってみると、耳の先、尾の先、かかとの皮膚もブツブツと何かできて毛が薄くなっていて、かゆいので落ち着きがありません。雑種のコロちゃんは、毛をかき分けてみると、皮膚にブラックペッパーのような黒いブツブツがあります。ティッシュの上に置いて濡らすと赤くにじんできます。コロちゃんの血を吸ったノミのフンだからです。ノミアレルギーでかゆくて一晩中なめて毛がとれてしまったのです。背筋から尾の付け根にかけて毛が薄くなるのが特徴です。

他には、よその犬にはうつりませんが、ニキビダニが毛穴の中で増えて、皮膚が赤くなる犬毛包虫症、皮膚で細菌が増えて膿をもつ皮症、皮膚に真菌がついて赤くベタベタして臭くなるマラセチア症、食物が合わなくてそれを少しでも食べるとかゆくなる食物性アレルギーなど、ひとくちに犬の皮膚病といっても、原因も症状も治療も違ってさまざまです。

犬の皮膚病の早期発見

犬の皮膚病の早期発見のポイントをお伝えします。犬の皮膚は毛がはえているので、皮膚の異常が見つけにくく、気付いた時には進んでいることが少なくありません。ひどくなればなるほど、治るのに時間もかかります。一番身近にいる飼い主さんの力で早期発見をしましょう。

かゆみ:かゆいと首をふったり、爪を立てて足でかいたり、かゆいところをなめたり、かんだり、床や柱や壁にこすりつけたりします。

皮膚の色:赤い斑点が出たり、全体的に赤かったり、黒ずんだり、フケが出て白くなったりします。

犬の皮膚の手触り:ブツブツしていたり、カサカサしていたり、ベタベタしていたりします。

におい:臭かったり鼻につくような酸っぱいにおいだったりもします。

しぐさ:落ち着きがなくなったとか、時々ヒステリーを起こすみたい、と言って連れて来られる犬もいます。

犬の皮膚病とうまくつき合う

愛犬の皮膚病をコントロールする見本をマスターしておくと安心です。日常のケアは、大きく分けると2つあります。

食餌:人の食事やジャーキーなどの高タンパクの食物は、犬の皮膚病を起こしやすくします。アレルギーになりにくいフードを与えます。例えば低分子プロテインのように加水分解したタンパク質を使ったフードや、または今までに食べたことのないタンパク源で作られたフードにすることもあります。抗酸化物質(ビタミンE、アスコルビン酸、フラボノイドなど)や脂肪酸(EPA、DHAやγ-リノレン酸など)の摂取も考慮に入れます。

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シャンプー:アレルゲンを洗い流す目的の他、感染を抑える殺菌剤、炎症を起こしにくくする成分、皮膚のバリアーを強くする成分、脂漏症を抑える成分、皮膚を保湿する成分など、さまざまなシャンプーがあります。犬の症状に合わせて選びましょう。皮膚が乾燥しすぎると皮膚のバリアー機能が低下するので、保湿成分の入ったスプレーなどもあります。

まとめ

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犬の皮膚病は種類も多く、治りにくい病気も中にはいくつかあります。でも、あきらめたり放置するとさらに進んでしまったり、二次的に細菌感染を起こしてひどくなったりします。少しでも早く快適に過ごせるように、適切な治療をしてあげることで、ワンちゃんの皮膚病は快方に向かう病気です。いつも一緒にいる飼い主さんが犬の皮膚病をよく観察して理解してケアしてあげると、ワンちゃんとの暮らしがさらに楽しくなります。


 
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